鳥獣人物戯画 (ちょうじゅうじんぶつぎが)は、甲・乙・丙・丁の全4巻からなる紙本墨画の絵巻物で、「日本最古の漫画」とも呼ばれています。今からおよそ800年前に制作され、京都市左京区の高山寺(こうさんじ)に伝わっています。
巻物には、「ウサギ」や「カエル」が相撲を取ったり跳ね回ったりするユーモラスな場面が描かれており、擬人化された動物たちの姿で広く知られています。登場するのはウサギやカエルだけでなく、「サル」、「キツネ」、「ネコ」などもあり、多彩なキャラクターが描かれています。
この鳥獣戯画の絵柄は、肥前地区の器にもよく用いられており、器のまわりをぐるりと眺めたくなるような、楽しい雰囲気を演出します。また「ちょうじゅう」という言葉は「鳥獣」だけでなく「長寿」にも通じることから、縁起の良い文様として有田焼のうつわでも親しまれています。