唐物(からもの)とは、日本に輸入された中国製の骨董陶磁器を指す言葉です。

特に鎌倉時代から室町時代にかけて、禅宗の寺院や武家社会において、茶の湯や書院飾りの道具として珍重されました。当時、中国は日本の文化にとって先進的な存在であり、中国から渡来した陶磁器や美術品は、高いステータスと権威の象徴でした。

これらの品々は、単なる輸入品ではなく、日本の文化や美意識に大きな影響を与え、茶道具の様式を確立する上でも重要な役割を果たしました。特に、宋時代や元時代のものは、その優れた技術と洗練された美しさから、現在でも非常に高い評価を受けています。

「唐物」という言葉は、中国から渡来した美術品全般を指すこともありますが、陶磁器の分野においては、特に骨董的な価値を持つものを指して使われることが多いです。