「陶器」や「磁器」は食洗機で使えるの?
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「この器は食洗機で使えますか?」
これは当店でもよくいただく質問のひとつです。

この記事では、「陶器」や「磁器」は食洗機で使えるのか、また使う場合の注意点や安全に使用するポイント、世間の人が抱いている誤解など、そして器を長持ちさせるための知識を食器専門店Studio1156の視点から分かりやすく解説します。

【INDEX】

磁器は「基本OK」、ただし絵付けには注意

結論から言うと、磁器は基本的に食洗機OKです。ただし、指で触って盛り上がりを感じるような上絵付け(うわえつけ)の器は注意が必要です。

磁器そのものの素材は高温や洗浄に強いため問題ありませんが、食洗機では高温の湯や研磨剤入りの洗剤を使用するため、絵柄の劣化が早まることがあります。

上絵付けは、もともと経年で少しずつ色が変化していくものですが、食洗機を頻繁に使用すると、その劣化を加速させてしまいます。

特に金彩(きんさい)や銀彩(ぎんさい)といった装飾は、絵の具の粒子が細かく柔らかいため、 他の色絵(赤・緑・黄など)に比べて摩擦や熱に弱く、剥がれやすい傾向があります。

そのため当店では、

• 赤・緑などの上絵付け → 食洗機△(手洗い推奨)
• 金彩・銀彩などの繊細な装飾 → 食洗機×(不可)

と表記しています。

陶器は「基本NG」

一方で、陶器はそもそも食洗機NGです。

理由は、陶器には吸水性があり、内部に水を含みやすいためです。その状態で食洗機の高温乾燥にかけると、器の中の水分が膨張して、ひび割れや破損の原因となります。

ただし、「半磁器」や「耐熱陶器」など、一部の陶器には例外もあります。この場合は、製造元や販売店の表示を確認し、必ず個別に確認するのが安心です。

よくある誤解:「高級だからNG」「安いからOK」

実はよく見られる誤解のひとつに、「高級な器=繊細だから食洗機NG」「安価な器=丈夫だからOK」という考え方があります。

しかし、食洗機に耐えられるかどうかは価格ではなく、素材と絵付け方法によるものです。たとえば、高価でも下絵付けで仕上げられる染付や、絵付けのないシンプルな磁器は問題なく使える一方で、手頃な価格でも上絵や金彩が施されているものは注意が必要です。

まとめ:表示を確認し、器を長く楽しむために

お気に入りの器を長く使うためにも、使う前に必ず「食洗機可」の表示を確認しましょう。 「使えるけど、なるべく避けたほうがいい」器も少なくありません。

日々のお手入れのひと手間を大切にして、お気に入りの器をより美しく、永く楽しんでみてください。