下絵付け(したえつけ)とは、陶磁器の装飾技法のひとつで、釉薬をかける前の素焼きの素地に、呉須(ごす)と呼ばれる藍色の顔料で絵付けを行う方法です。焼成によって、絵柄はガラス質の釉薬の下に閉じ込められるため、英語では「Underglaze(アンダーグレーズ)」とも呼ばれます。
この技法で描かれたものが、いわゆる染付(そめつけ)と呼ばれる青と白の絵柄です。近年では技術の進歩により、青だけでなく赤など他の色を用いた下絵付も見られるようになりました。
絵付けが釉薬の下にあるため、食洗機や長年の使用でも色落ちや剥がれが起こりにくく、長く絵柄を楽しむことができるのも魅力のひとつです。
多くの陶芸体験では、素焼きされた器に呉須で絵付けをする下絵付け(したえつけ)体験が提供されています。ただし、下絵付けされた作品は、その後釉薬をかけて本焼成(約10〜16時間)を行う必要があるため、当日に持ち帰ることは難しいという点に注意が必要です。ガス窯・電気窯いずれの場合も、焼成には時間がかかります。
一方、上絵付け(うわえつけ)体験であれば、施設によっては当日または翌日に受け取り可能な場合もあります。スケジュールに余裕がない場合は、事前に工房や体験施設に確認するのがおすすめです。