墨弾き(すみはじき)とは、ろうけつ染めに似た下絵付けの技法のひとつです。
素焼きの素地に墨で模様を描き、その上から呉須(ごす)で他の部分に絵付けを行います。焼成すると、墨は焼かれて消え、墨で描かれていた部分には呉須が乗らないため、白い線として模様が浮かび上がります。
この技法は高度な技術を要し、鍋島紋様にもよく見られます。中でも今右衛門窯(いまえもんがま)は、この墨はじき技法を得意とすることで知られ、その作品は非常に高く評価されています。
また墨弾きによる青海波も、非常に趣深く、美しさと技巧の高さを感じさせるものです。