呉須(ごす)とは、藍色の顔料で、陶磁器の絵付けに使われる伝統的な材料です。
主に磁器の下絵付けに用いられ、主に酸化コバルトを主成分とする天然の鉱物で、藍色の顔料として使われてきました。焼き上がると深みのある青色となって器を美しく彩ります。
かつては中国から輸入されていたことから「呉」の字が使われるようになったと言われています。現在では国産のものや精製された呉須も多く使われています。染付(そめつけ)と呼ばれる、青と白のコントラストが特徴の磁器作品では、この呉須が欠かせません。濃み(ダミ)絵付けにもこの呉須が使用されます
現在では、天然の呉須の代わりに、より安定した発色と供給が可能な人工のコバルト顔料が広く使われています。石臼によって、ペースト状に擂り上げて水で2~4倍に薄めるだけですぐに使える状態で販売されているものもあります。