濃み(だみ)とは

濃み(だみ)とは、線描きされた輪郭の内側や外側を、呉須(ごす)という藍色の顔料で塗りつぶしていく下絵付けの作業、またはその絵付けそのものを指します。いわば「ぬりえ」のようなイメージで、青と白のコントラストが美しい染付(そめつけ)に欠かせない工程のひとつです。

この濃みの作業に用いられる専用の筆が濃み筆(だみふで)です。鹿の毛を束ねて作られた太い筆で、筆先が細く繊細なため、塗る面の広さや濃淡を巧みに調整することができます。

What's Dami Brush? | JPAP - Japanese porcelain and pottery club濃みは、古くから主に女性の職人が担当してきた工程でもあります。筆圧や絵具の含ませ方を繊細に調整しながら、均一に美しく塗り上げるためには、長い年月をかけた訓練が必要とされる熟練の技です。