染付(そめつけ)

染付(そめつけ)とは、素地に「コバルト」と呼ばれる藍色の顔料である呉須(ごす)で絵付けを行い、その上から透明釉をかけて焼成する技法で、下絵付(したえつけ)の一種です。中国・宋の時代に始まり、日本では17世紀に有田で初めて作られました。

白と藍の二色のみで表現されながらも、濃淡の使い分けによって奥行きや豊かな表情が生まれ、窯元ごとに異なる味わいが楽しめます。

染付の魅力は、その美しさだけでなく、機能性にもあります。下絵のため絵柄がはがれることがなく、食洗機や電子レンジにも対応できるため、日常使いにぴったりです。

古伊万里を模した伝統的な絵柄が多く見られますが、近年では、古典的な文様をベースにしつつもユーモアや可愛らしさを加えた、アイコニックで現代的なデザインも増えています。

染付の器は和食のイメージが強いですが、近年ではフレンチやイタリアンのレストランでも広く使われ、その美しさと実用性が注目されています。料理の色を引き立てるシンプルかつ洗練された染付は、今も昔も変わらぬ人気を誇る器のひとつです。