陶器(とうき)とは、陶磁器を「陶器」「磁器」「せっ器(炻器)」「土器」の4種類に分類したうちのひとつで、「土もの」とも呼ばれます。
石を細かく砕いて作られる磁器とは異なり、陶器の主原料は土です。磁器に比べて吸水性が高く、使い始めのケアや日常のお手入れが必要ですが、使い込むほどに風合いが増し、土ならではの温かみを感じられます。
ただし、「陶器」という言葉自体は、例えば「有田陶器市」のように、文脈によっては“陶磁器”や“やきもの”全般を指す場合もあり、その場合は磁器も含まれることになります。実際に有田陶器市で販売されている器は「陶器」ではなく「磁器」がほとんどです。
しかし、概念としては土ものである「陶器」と、石ものである「磁器」は大きく異なります。いわゆる陶芸でよくイメージされるロクロを使った成形などは、磁器(じき)ではなく、この陶器で作られることがほとんどです。
日本では、笠間焼(茨城)・信楽焼(滋賀)・萩焼(山口)・唐津焼(佐賀)・やちむん(沖縄)などが、いわゆる代表的な「陶器」の産地として知られています。これらの産地に共通するのは、土の質感を生かした温かみのある表情と、使い込むほどに味わいを増す質感です。





