貫入(かんにゅう)とは

陶磁器の表面に現れる、釉薬のひび模様のことを指します。これは素地と釉薬の収縮率の違いによって生じるもので、見た目はひび割れのようですが、装飾表現の一種であり、器の強度や使用には問題ありません。

焼成後の窯出し時には貫入音という、「ピンッ」「キンッ」といった風鈴より細く高い美しい音が鳴り響きます。この貫入音は、窯から出て数年経っても、温度変化などの器の収縮により時々鳴ることがあります。

磁器では、この模様を意図的に作るのが難しいため、有田焼や波佐見焼といった磁器製品ではあまり見られません。